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森本容子×藤島彩子

1990年代~2000年代のカリスマ店員ブームを牽引し、数々の人気ブランドのプロデュースを手掛けた森本容子さんの魅力に迫ります。

作成:2019年4月15日

アパレル社長・藤島彩子が稀代のカリスマにインタビュー

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藤島彩子(以下、藤島)渋谷109をブレイクさせた「カリスマ店員ブーム」の火付け役に人気ブランドの立ち上げ、自身のブランド「カリアング」のプロデュース。そしてショップチャンネルの売れっ子バイヤー。どうすればそこまで成功できるもんなの?

森本容子(以下、森本) いやいやいや。私一人で築き上げてきたものじゃなくて、雑誌社とか、当時の会社のオーナーが私のことをプロデュースしてくれてたから作られてきたもので、私がどうこうしたわけでも発信したわけでもないんです。どうするかを選んで決めてきたのは私だけど、みんながアイデアや選択肢を与えてくれたからここまでこれたというか。

藤島 そういうたくさんのチャンスに恵まれたのは人柄の良さと頭の良さが人を惹きつけてるからだろうね。

森本 私、全然頭が良くないんで、本当にいろんな人に助けてもらってます(笑)。そもそも私はこの仕事に向いてないんです。向いてないんだけど、その中でできることやりたいこと、しっくりくると思えることを見極めながら続けてきたって感じです。

藤島 私からすれば才能のかたまりにしか見えないのに、どういう部分が向いてないと思ったの?というか、もともとアパレルを目指してたんじゃないの?

森本 それが違うんですよ。私、本当は若いうちに普通にお勤めしてる人と結婚して、専業主婦になりたかったんです。だからブランドに入ったのも本当にたまたま。高校生の時、お店の人に「働かない?」って声をかけてもらって卒業後、建築の専門学校に行きながら池袋でショップ店員のバイトを始めたのが始まりだったんです。

藤島 え、意外!でもカリスマ店員ブームの時、誰よりも雑誌に出てたよね?

森本 どうせ雑誌に出るならトップで出たいし、一番大きく出たいと思ってましたからね(笑)。でも、それを口にしてみんなに嫌われたくないから毎回こっそり工夫してましたよ。撮影に呼んでもらうたびに髪型を変えたり違うものを持っていったり。だから一番出してもらえてたんじゃないかと思う(笑)。

藤島 さすがカリスマ(笑)。その工夫する根性がクリエイティブだよね。

森本 そう、セルフプロデュースですよね。

藤島 “森本容子”って部分はあの頃からブレてないもんね。今の髪型もそうだし。ヘアメイクもネイルも全部、どこで切っても森本容子。だから人気アパレルブランドを立ち上げる時も熱烈に声がかかったんじゃない?何年くらいやってたんだっけ?

森本 22歳の時から5年くらい。27歳までいましたね。

藤島 まさに絶好調って時だったのに、何で辞めちゃったの?

森本 この仕事に本当に向いてない。というか、オーナーの期待にこれ以上応えれないと思ったから。期待はされてなかったかもしれないけど、もうこれ以上できないって限界を感じちゃって。センスのいいコも若くてかわいいコも、向いてる人もいっぱいいるし。

藤島 そうなんだ…。だけどそこから独立してカリアングを立ち上げたんだよね?

森本 はい。「ごめん、私辞める」って言ったらみんなが「一緒になにかやりましょう」って言ってくれて。けどできるのが服しかなかった。というか、このメンバーでやるなら絶対に服だと思ったから、それしか考えられなかった。

藤島 それで起業したんだ。しかしそこから今まで会社が続いてるのもすごい。いろいろ大変だったでしょ?

森本 銀行に借金もしたしここでは話しきれないくらい大変でしたよ。でも自分のブランドを立ち上げて好きなようにやってみたら、仕事がすっごく楽しかったんですよね。「あー、私ってこの仕事に向いてるな」と心の底から思えたのはその時が初めて。

藤島 “雇われ”じゃなく“自分で始めた”ことで、物づくりと向き合う気持ちに変わった部分はある?

森本 ありますね。当時はどこを向いて物を作ったらいいかがわからなかったの。お客様の方を向いてお客様のために物を作りたかったんだけど、なんとなく雇われてるからボスに合格もらわなきゃみたいな。

藤島 本当はこれがいいと思うけどボスの好みも意識しなきゃ、というような?

森本 そうそう。だって、お金をもらってるならオーナーとか会社のためにやるべきだし。でも、そのボスは才能がある人だったんですよね。本当にファッションも女のコも好きで、流行の先読みもできたし。だからそれはそれでいいと思ってました。

藤島 これまでずっと成り行きとは言ってたけど、やっぱり洋服が好きだから続いた部分もあるんじゃない?

森本 アパレルというよりはサービス業が好きなんだと思う。荷物をいっぱい持っててドアを開けられない人がいたら開けてあげるとか。だから、洋服もそれの延長なのかな? 「そっちよりこういう服が似合うんじゃない?」とか「今はこういうまゆげのほうがいいよ」とか。人が良くなるための何かをするのが好き。

藤島 ちょっと世話を焼いてあげるみたいな。

森本 そうです(笑)。その人が良くなるためにうるさく言うのが好き。

藤島 今後はどうするの?

森本 今は子供を作りたいという気持ちが優先だから、あんまり考えてない。でもそこに決着がついたら、また何かやろうと思ってる。109にお店を出すとか、私たち世代が着るいいものを作るとか。

藤島 容子が109をプロデュースしてくれたら盛り上がりそう。それやってほしい!

森本 スポンサーになって、彩子さん(笑)。

藤島 そんなにお金ないよ私(笑)。

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森本容子/Yoco Morimoto
1977年 7月13日生まれ。数々のブランドの販売員を経て、渋谷109店ではカリスマ的な人気を誇る。2000年から数々のブランドプロデュースに携わり2005年に独立。12月に株式会社 YOCO MORIMOTO DESIGN OFFICEを設立し、代表取締役に就任。「KariAng」を立ち上げ「Banker」、「DreAng」を続々とスタートさせる。2009年、YOCO MORIMOTO DESIGN OFFICEの名を冠したプロジェクト「Y.M.D.O.」をスタートし2014年秋「BANKER tokyo」をリニューアルし、NYセレクトショップデビュー「Assembly NewYork」「OAK NEW YORK」他、世界へむけた活動を開始。現在に至る。

藤島彩子/Ayako Fujishima
トムズアンドコレクティブ株式会社 代表取締役
札幌生まれ。武蔵野美術大学卒業。アパレルメーカーにて、MD(マーチャンダイザー)・営業職を経験し今に至る。現在、トムズアンドコレクティブ株式会社代表取締役 人脈の広さを活かし多岐に渡り、コラボレーションやODMを手掛けている「藤島彩子オフィシャルブログ」「Facebook」「インスタグラム」等、多くのフォロワーがついており人気を博している。

 


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